初めての妊娠!
嬉しい!けれど、おカネどのくらいかかるんだろう。やっていけるのか心配だな。
なんて、お思いの初マタの方。
そうだよね、心配だよね。
ちゃんと今の生活維持していけるのか。
共働きだけど産後おカネは大丈夫かな。
産休育休でどのくらい金銭的な支援が受けられるの?
育休後は時短勤務にしたい。年金減っちゃうの?
妊娠してから思うよね。
実際いくらもらえるの?
生活どうなっちゃうの?って。
こんにちは、ゆうです。
私は3人子持ちのファイナンシャルプランナーです。
産休育休を3回取得し、短時間勤務で働いた経験もあります。
妊娠、出産、育児で実際問題どの程度おカネがもらえるのか。
どのような支援があるのか。
ファイナンシャルプランナーの知識と実体験を合わせてお伝えしたいと思います!
さっそくいってみよう!
簡単に自己紹介。
40代地方で働く主婦兼ファイナンシャルプランナーです。
子どもは3人。小6、小3、3歳。
産休育休を3回もらって、今は職場復帰している。
産休育休を支援する制度は年々手厚くなってきている。
3回も取るとよく分かるよ。
産前産後の社会保障はどうなっているのか。実際いくらもらえるのか。
育休が終わって、仕事復帰後の社会保障はどうなっているのか。
そして、実際に活用した感想・注意点。
をお伝えしたい。
産前産後の社会保障
まずは産休と育休の定義から。知ってる人は飛ばしてね。
産休は産前6週間(42日)+産後8週間(56日)になる。
ちなみに健康保険では、出産当日は産後の期間に含まれる。
育休は産休が終わってから、原則、子が1歳の前日までとなる。
出産では大きく3つの手当金をもらうことができる。
①出産育児一時金
②出産手当金
③育児休業給付金
だ。ひとつひとつ詳しくみていこう。
①出産育児一時金 出産にかかる費用はここから捻出!
出産にかかる費用は出産育児一時金でまかなえる!
妊娠4ヵ月以上の方が出産したときは、一児につき42万円出産育児一時金が支給される。
これは自営業だろうが、専業主婦だろうが誰でも支給される。ありがたい制度だね。
公益社団法人 国民健康保険中央会の統計によると、通常分娩の費用の平均は約51万円。
出産にかかる費用の手出し額は、10万円ほどあれば足りる計算だよ。
直接支払制度を使えば、健康保険から産院に直接支払われる。
よって、自分で実際に支払う額は、42万円を超えた分となる。
合計45万円の支払いであれば、42万円を差し引いた3万円が実際の支払額ね。
②出産手当金 働く女性の味方 産休に支給
働く女性にはありがたい制度。
産休の期間に相応した手当金が支給される。
ただ働く女性といっても、会社員はOKだが、自営業ではもらえない。
出産手当金の支給額はお給料の3分の2(67%)だ。
出産手当金を具体的に計算してみよう。 |
早く産まれるともらえる額は減る
出産が予定日より早いと休業日数も短縮されるため、額も減っちゃうんだよね。
予定日より2週間早く産まれた場合、98→84日分となるのだ。
逆に出産が予定日より遅かった場合。
予定日より1週間遅く産まれた場合、98→105日分となるため額が増えるのだ。
どちらにせよ、これだけまとまった額が支給されるとほんと助かる。
こちらが実際の通知書。
私の場合、2週間早く産まれたため、98→84日分の支給でした。
ちょっぴり残念です(笑)。
③育児休業給付金 働く女性が育休中に支給
育休は女性の場合は産後休業(出産日の翌日から8週間)終了日の翌日から、基本的には子供が1歳になる前日まで取得することができる。
男性の場合は子供が誕生した日から取得可能。
ただ自営業、出産後退職予定では取得できない。パート勤務では要件を満たせば可能。
2021年現在の育児休業給付金の支給額は、
・最初の6か月は給料の67%
・6か月を超えたら給料の50%
となっている。
ちなみに2014年の3月までは全期間50%の支給額でした。少しずつ手厚くなってきています。
政府は最初の6か月を67→80%への引き上げも検討しているよ(後述)。
素直にうれしい!これは父親への育児休業の取得を後押しするねらいがあるようだ。
ただ、入金は2か月ごととなっている。そして入金は遅くなることが多い。
注意が必要。
詳しくはこちら。
ここまでが産休育休中の社会保障となる。
育休が終わって、仕事復帰後の社会保障
ここからは育休が終わった後、仕事復帰後の社会保障について伝えよう。
復帰後に「短時間労働や所定外労働を免除した場合」。
通常は給料が下がることになる。
復帰後に給料が下がることで考えられる問題点が2つある。
<問題1>高い保険料の負担
厚生年金、健康保険は毎年4月~6月の3か月分の給与額から算出される。
育休後に給与が下がり、実際に受け取る給与に対して高い保険料を負担しなければいけなくなってしまう。
<問題2>将来受け取る年金額が下がる
給与が下がることにより、厚生年金の支給額も下がる。
この2つの問題点を解決してくれる制度があるのだ。
復帰後の高い保険料の見直し
復帰後に時短勤務等で、給与が下がった場合。
産前産後休業・育児休業後の標準報酬月額の改定が行われる。
舌を噛みそうなくらい、よく分からない文章だよね。
要は、「復帰後の3カ月間の報酬(給与)の平均を4か月目以降の標準報酬月額としますよー」ってこと。
上の図を見てほしい。
真ん中の水色のところが産休育休で休んでいたところね。
そして、復帰。
復帰してからは報酬が下がってるよね。
ここの3か月分の報酬の平均を取って、4か月目以降の標準報酬月額としてくれる。
なので、4か月目からは社会保険料が現在の給与(=短時間勤務で下がった給与)に見合った額に改訂されるってことね。
いやあ、ありがたい。
報酬が減っても年金が減らない対策
次は、将来もらえる年金のお話。
復帰後、標準報酬月額が下がると社会保険料も下がる。
支払う社会保険料が減るのはいいけれど、社会保険料の中には厚生年金保険料も含まれる。
つまり、将来もらう年金がこのままでは減ってしまうってことね。
これはマズイ。
子育てのための時短勤務だからね。
この辺は政府もちゃんと分かってくれているようで、報酬(給与)が減っても年金が減らない対策があるのだ。
「3歳未満の子を養育する期間の従前報酬月額の適用」っていうんだよ。
また、長ったらしい呪文が出てきたね(笑)。
くだいて言うよ。
さっきさ、復帰後3カ月経ったら、報酬月額が下がるって話したよね。
これがそのまま適応されちゃうと、将来の年金額まで下がっちゃうわけ。
なので、「給与が下がった期間は、産休を取る前にバリバリ働いていたときの高い給与の額で厚生年金の計算したるでー」ってことね。
妊娠しなかったとして、実際の産休育休の期間もずっとバリバリ働いていたとしよう。
産休育休をとっても、バリバリ働いていた時と将来もらえる厚生年金の額が変わらんってことよ。
いやー、これはありがたいよ。
ただし、子が3歳に達するまでの期間っていうしばりはあるよ。
復帰後は労務課に必要書類を提出すべし!
労務課に提出する書類はこれだ。
「産前産後休業終了時報酬月額変更届」
中国語ではない、日本語だ(笑)。
年金機構へのリンクを貼っているので、提出書類もリンク先から手に入るよ。
通常は労務課担当者からもらえるが、会社で初めての産休育休取得であったり担当が慣れていないと知らないこともある。その時は自分から「これ使えますよね?」って書類出しちゃおう。
知らないと損するからね。
ちなみに、私自身は8→6時間の時短勤務だったのだが、
健康保険と厚生年金が合わせて10000円以上も下がったのだ。
ぜひぜひ、使える制度はフル活用して欲しい。
実際に活用した感想・注意点。
ここからは自分が実際に制度を活用した感想と注意点をお送りする。
①給付金、手当金は入金が遅い
声を大にしていいたい。
「産後の生活費は手当金でなんとかなるっしょ」って思ってるそこのあなた。
あまーーい!!甘すぎる。
あのね、給付金の類の入金はものすごーーーーく遅いのだ。
私は1月17日に出産した。
そして、出産手当金が入金されたのが4月11日だよ。
入金まで約3ヶ月。
季節まで変わってしまってたわ(笑)。
妊娠したら出産前後の生活費を確保せよ。
手当金の入金は遅いのだ。
詳しくはこちら。
②住民税は払う必要がある
給料から天引きされていた社会保険料と税金。
これらは産休育休の間はどうなるのだろうか。
答えは「住民税だけは支払う必要がある。」
他は全部払う必要がない。
「健康保険、厚生年金、雇用保険、所得税」これら全部払わないでいいのだ。
これはすごーくありがたいことだよ。
払わないでいいけれど、健康保険は使うことはできるし将来の年金が減ることもない。
住民税だけ支払いが発生する理由は「課税される期間と支払う期間にずれが生じる」からだ。
2020年に課税される住民税は、2021年6月~2022年5月に支払うのだ。
詳しくはこちら。
③保育料金には注意
これは、上に保育園児がいる場合ね。
2人目、3人目を計画している方も知っていた方がいい。
保育園料金は住民税の額で決まる。
先述したように、住民税は課税される期間と支払う期間にズレが生じる。
つまり、産休に入ったからといってすぐに住民税が減るわけではない。
ということは、保育園の料金もしばらく変わらないのだ。
収入は減るのに、保育園料金はしばらくは据え置きだ。
実際に保育園料金が減るまでには時間がかかるのだ。
具体的には2021年4~8月の保育園料金は、2019年の住民税額で決まる。
2021年9~2021年3月は2020年の住民税額で決まるのだ。
④初めての配偶者控除
配偶者控除とは、主に妻が専業主婦で収入がないor年収103万円以下のパートの時に受けられる所得控除のことだ。
固い表現で分かりにくいね。
言い換えてみるね。
所得税って安い方がいいよね。
働いていると給与所得から税金が引かれる。
けれど、単身であったり家族が多かったり一人ひとり状況が異なる。
そんな場合に、給与所得が同じだから一律所得税も同じってしちゃうと、子ども多い人とか大変じゃん。
だから、「控除」ってのがあるんだ。
控除の額を差し引いて所得税を出すことになる。つまり控除が多いと所得税は安くなる。
・子どもがいる→扶養控除
・医療費が高かった→医療費控除
とか、控除には種類がいろいろある。
その中の一つが配偶者控除。
・所得の少ない配偶者がいる→配偶者控除
配偶者控除を使えると、夫の所得税を減らすことができる。
これは大きい。
産休育休のおかげで、夫は配偶者控除を受けることができたのだ。
大事なのは「給付金は所得ではない」ということ。
所得であれば所得税が発生する。
給付金は所得ではない。そのため、所得税は発生しない。
私の場合、2018年1月に出産した。
2017年12月から子どもが1歳になるまで産休育休を取得した
仕事復帰は2019年1月だ。
この場合、2018年は全く働いていない。
給付金のみ受け取っていた状況。
つまり私は配偶者控除の条件「年間の合計所得金額が48万円以下」を満たすのだ。
産休育休を取得する時期が良かった。
年末調整の対象となる給与は、その年の「1月1日から12月31日」までとなっている。
この期間内に上手に産休育休がはまれば、配偶者控除もしくは配偶者特別控除が使えるぞ。
同じ1年であっても8月~翌年8月であれば条件を満たさないだろう。給料によるが。
タイミングが合えば、配偶者控除使えるかもって覚えておきたい!
⑤給付金はほんとうにありがたい
産休育休を3回取得している。
すると、少しずつ手当が厚くなっていることに気づく。
なにはともあれ、産休育休中の給付金はありがたい制度なのだ。
給付金のおかげである程度の収入は確保できる。
この安心感は半端ない。
育児に専念できる環境なのだ。
復帰後の方が、むしろ短時間勤務で給料減ったって人多いかもしれん。
実際、私もそうだよ(笑)。
裏を返せば、産休育休中は恵まれていたのかも。
今後の産休育休制度の改定
2020年2月。産経新聞の見出しに注目したい。
「育休給付金、給与の80%引き上げ 男性取得推進へ検討」
育休中の給付金、育児休業給付金を給与の67%から80%への引き上げを検討している。
給与の80%であれば、ほぼ手取り額と同じだ。
日経新聞によると、男性に育休取得するにはどんな対策が必要かと聞くと、一番多い回答は「給与の100%保証」であった。
男性からは法改正に加え「休業中の給与を100%保障」(54.8%)といった経済的な保障を求める声のほか、「育休取得に否定的な上司や同僚の意識改革」(41.2%)が必要、とする回答が多くあがった。また「育休取得がキャリアに不利にならないという安心感」(40.1%)の必要性を訴える声も多かった。
給与の80%の改定は、男性の育休取得を推進するための策だ。
これはとてもありがたい。
・産休育休中も、手取り額は変わらない。
・社会保険料、所得税は免除される。
となれば、産休育休取得が当たり前、取らないと損!という流れに変わっていくかもしれない。
とはいえ、これだけでじゃあ、2人目3人目も産もうって考えにはならないだろう。
少子化対策としては物足りなさを感じる。
産むときだけじゃないからね、おカネが必要なのは。
もっと大胆な策を希望する。
例えば、3人目は高校大学無償化とかね。
まとめ
今回は産前産後、そして復帰後の給付金や制度についてまとめた。
先述したが、給付金や制度は年々手厚くなってきている。
私自身、1人目と3人目で給付金の額が増えたことで実感している。
妊娠したら考えることが多くて大変だけれど、このページで少しはおカネの悩みが解消できたのならとても嬉しい。
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ではでは。
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